当院では風疹抗体検査・ワクチン接種をおすすめしています
風疹(ふうしん)について
風疹は、発熱や発疹、リンパ節の腫れなどの病状が現れる感染症です。
風疹に対する免疫が少ない妊婦さんが感染した場合、赤ちゃんの流産につながるほか、生まれてくる赤ちゃんがまれに目や耳、心臓などに病気を持つこと(先天性風疹症候群)があります。
風疹は麻疹(はしか)と並んで子どもがかかる病気と考えがちですが、最近は成人の発症が多く、特に30−50代の男性が流行の発生源になっている場合が多いと言われています。
現に2018年の冬から全国的に風疹が流行し、小樽市でも2019年1−3月で15名の 風疹罹患者がおりましたが、いずれも成人の発症であったと報告されています。
風疹抗体検査(血液検査)
妊娠中は予防接種(ワクチン)ができないので、これから妊娠を希望される女性の方や妊婦の家族の方は、風疹に感染しないためにも免疫が十分かどうかを検査することが重要です。
小樽市では平成26年から、妊婦や妊娠を考えている女性、および家族への風疹感染を予防するため、以下の対象者の方への風疹抗体検査を無料で行っています。(小樽市から対象女性の方へ通知のハガキが送られているかと思います。)
対象者:市内に住所を有する以下の方
・妊娠を希望する女性
・妊娠を希望する女性の夫やパートナー等同居者
・風疹の抗体価が低い妊婦の夫やパートナー等同居者
※ただし、(1)過去に風疹抗体検査を受けたことがある、(2)過去に風疹の予防接種を受けている、
(3)検査により風疹と判断されたことがある 場合は除きます。
さらに厚生労働省より、2022年3月31日までの間に限り、
昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性(対象世代の男性)が風しんの定期予防接種(風疹の第5期の定期接種)の対象者となりました。
(対象者へ平成31年4月頃にクーポン券が送られているかと思います。)
これは妊婦の感染に限らず、今回のような大規模な流行を予防する目的で行われているものです。
風疹ワクチン接種について
風疹抗体検査で抗体に対する免疫が少ないとわかった方へは、ご同意の上MRワクチン(麻疹・風疹2種混合ワクチン)の接種を受けていただくようおすすめしています。
上記「対象世代の男性」で基準を満たす方は無料で接種が受けられます。
それ以外の方では自己負担となります。
※風疹ワクチン接種前の抗体検査は必須なわけではありませんが、接種者の身体的・経済的負担、そして限りある医療資源としてのワクチンの効率的活用のために、まず抗体検査を受けられることが奨励されています。
ワクチン接種後の女性は2ヶ月の避妊が必要です。ただしワクチン接種後に妊娠と わかっても、ワクチンを原因とした先天性感染例は報告されていないため、原則 中絶の必要はありません。またワクチン接種後の男性の避妊は必要ありません。
なお妊娠中に風疹抗体価が低いことがわかった、当院でご出産の産婦さんへは、
産後入院中にご同意の上でワクチン接種をおすすめしております。
当院で風疹抗体検査・ワクチン接種をお考えの方へ
当院で風疹抗体またはワクチン接種を希望
される方は、事前予約が必要になります。
検査希望 / ワクチン希望、男性 / 女性
などに応じて、産婦人科、健診科などで
対応させていただきます。
小樽協会病院医事課(Tel:0134−23−6234)までお電話で
事前にお問い合わせください。
おわりに 〜社会全体で防げる病気をしっかり防ぐために〜
風疹は妊婦さんに限らず社会全体の心がけ次第で、感染や流行を防ぐことのできる
病気です。この風疹検査やワクチンが、少しでも生まれてくる赤ちゃんにとって安全であるように、少しでも妊婦さんが安心して妊娠生活を過ごせるように、皆さんができることを考えるきっかけになってくれることを願っています。
【関連ホームページ】
・小樽市公式ホームページ 風しん抗体検査
https://www.city.otaru.lg.jp/simin/iryo/kenko/otona/husinkoutaikensa.html
・小樽市公式ホームページ 風しんの追加的対策について
https://www.city.otaru.lg.jp/simin/iryo/kenko/otona/fusin_tuikatekitaisaku.html
・風疹をなくそうの会 ~ hand in hand ~ ホームページ
https://stopfuushin.jimdo.com