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臨床工学科

臨床工学科

 臨床工学技士はCE(Clinical Engineering)と呼ばれ、医師の指示のもと生命維持管理装置
の操作を行います。生命維持管理装置とは、人工透析装置、人工心肺装置、人工呼吸装置など
をいいます。医療スタッフで唯一、医学と工学の両方の知識を有する国家資格者です。
 現代の医療現場には多種多様の高度医療機器が溢れていますが、この高度医療機器を用いた診療、また安全に治療を行えるよう医療機器の専門家として、その保守管理や操作にあたるとともに、チーム医療の一員として患者様の治療に携わっております。

 

役割

 当院では現在8名の臨床工学技士が常勤しており、すべての診療科に携わる医療機器を管理しております。臨床工学技士は、高度な医療機器を操作し、救急救命時における治療のサポートや医療機器の保守点検をおこない、病院内で安全な運用ができるようにする技術が必要です。
 私たちはその技術者として重要な役割を担っており、急性期病院として24時間体制で緊急呼び出しに対応しています。また院内では常に携帯を持ち、各病棟や各診療科からの連絡に対応できるよう取り組んでいます。

 

業務

心臓カテーテル

 心臓カテーテル業務は、心臓カテーテル検査・治療、補助循環(IABP、PCPS)など医師と共にチームの一員として携わっております。ここで私達は、ポリグラフによる患者生体情報の監視、IVUSのデータ解析など、あらゆる医療機器の操作や急変時に備えた準備をおこなっております。また、保守管理として検査・治療材料の在庫管理をおこなっております。

心臓カテーテル
 

植え込みデバイス治療

 ペースメーカ業務は、体外式ペースメーカ挿入やペースメーカ植込み術にて医師と共にチームの一員として携わっております。フォローアップによるデバイス外来は、週2回おこなっており、現在当院では350名前後の患者様を半年に一度外来にてチェックしております。
 外来ではペースメーカ,ICD,CRT-Dの状況を、プログラマを使用して解析し、電池寿命・リード抵抗などの測定、設定変更を医師と相談しておこなっております。
また、入院患者様や緊急入院された患者様のペースメーカチェックにも対応できるよう、様々なプログラマを準備しております。

植え込みデバイス

電気生理学的検査・カテーテルアブレーション

 カテーテルアブレーションは、不整脈の解析をおこない高周波を発生するカテーテルを用いて、不整脈に関わる部位の焼灼をおこないます。臨床工学技士は、不整脈解析装置や3D画像解析装置の操作、治療に用いる高周波発生装置の出力調整などをおこなっております。

アブレーション
 

手術室

 手術室業務は、麻酔器や患者監視装置、手術台、電気メス、鏡視下手術装置などの保守管理をおこなっております。また、手術に使用する器械・材料の在庫管理もおこなっております。
当院では、臨床工学技士による清潔補助業務にも携わっております。
臨床工学技士が清潔野にいることで、手術に使用される器材の操作確認や使用前の点検が可能となり、想定外のトラブルには迅速に対応でき、より安全な手術に繋がります。
私たちは手術室看護師と協力して、お互いの専門性を生かし、安全で質の高い医療を心掛けて取り組んでおります。

 手術室
 

中央材料室(サプライ)

 臨床工学科では中央材料室(サプライ)の管理もおこなっております。中央材料室では、器材の洗浄の中央化、滅菌物の払い出しをおこなっており、複数名での安全点検やインジケーターを用いた評価により、安全で確実な洗浄・滅菌を保証しております。
 また、鋼製小物の管理や鏡視下手術に使用する器材の性能点検をおこない、患者様も医療スタッフも安全に手術がおこなえるよう取り組んでおります。
中央材料室
 

内視鏡

 内視鏡業務は消化器内視鏡を主とし、現在は食道・胃・十二指腸・胆・膵・大腸の検査治療に医師の介助者としてチームに携わっております。特殊検査治療では、ステント留置術、バルーン拡張術、乳頭切開術、超音波内視鏡等、様々な検査機器や処置具の準備と操作をおこなっております。また機器管理や洗浄記録管理にも対応しております。
内視鏡
 

人工呼吸器

 当院では新生児から成人までの人工呼吸器を管理しており、あらゆる原因で正常に呼吸ができなくなった患者様や、全身麻酔手術後の患者様に人工呼吸器を装着し、装置が正常に動作しているかなど、訪室させていただき日常点検をおこっております。
また、近年はNPPV専用の呼吸器が使用されることが多く、マスクのサイズや設定などを、医師や看護師と相談し治療に携わっております。
人工呼吸器
 

睡眠時無呼吸症候検査

 睡眠時無呼吸症候群を疑う患者様に対して、簡易型の検査装置や精密な検査装置を使用し、睡眠時無呼吸の装着や解析をおこなっております。また、その後の在宅での装置の説明や販売業者の仲介等、患者様が外来受診時に速やかに診察がおこなえるように取り組んでおります。
また、遠隔でデータの抽出と解析など、個人データの管理もおこなっております。

特殊血液浄化

 当院には人工透析室はありませんが、ICU・CCU・病室において、循環動態が不安定になった患者様に持続的血液濾過透析、循環状態が安定した患者様や慢性腎不全患者様に施行する血液透析、血液中の血漿成分を入れ替える血漿交換、血液中のある特定した物質のみを取り除く血液吸着などの各種、様々な血液浄化療法に対応しております。24時間以上おこなう血液浄化療法では、臨床工学技士は院内に待機し、継続的に監視・操作を続け患者様の回復に努めております。
血液浄化
 

医療機器管理

臨床工学科では臨床工学技士室でシリンジポンプ・輸液ポンプ・持続吸引器・人工呼吸器などをはじめ数種類600台以上の医療機器を医療機器管理システム『CEIA』で中央管理しております。修理150件/年以上おこなっており、必要時に迅速に提供できるように管理しております。当院では、臨床工学技士が医療機器安全管理責任者となり、保守点検計画の策定や実施、院内勉強会などを定期的におこなっております。また毎月『臨床工学科だより』を発行しており、多様化する機器への対応やアドバイス、トラブル時の対処法や、院内へ医療機器の安全情報などを発信しております。
機器管理
 

臨床工学科スタッフ

 当科は多種業務でありますが、スタッフはローテーションで業務を担当しております。
学会や勉強会には積極的に参加し、演題発表も不定期ですが行っております。
スキルアップのために認定や資格の取得にも自主性をもって取り組んでおります。
また、養成校の実習先病院として2023年より臨床実習指導者講習会受講施設として
臨床実習生を受け入れております。


臨床工学科長   佐々木 昭吾
他 臨床工学技士   6名
  助手       2名

 
関連学会 資格・認定
日本臨床工学技士会 透析技術認定士
北海道臨床工学技士会 消化器内視鏡技師
日本医療機器学会 第二種滅菌技士
日本心血管インターベンション治療学会 CPAP療法士
日本睡眠総合検診協会 心血管インターベンション技師
日本消化器内視鏡技師会 臨床ME専門認定士 
北海道消化器内視鏡技師会 臨床実習指導者講習会受講施設
日本透析医学会
日本不整脈心電学会

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