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呼吸器病センター気胸部門開設について

呼吸器病センター気胸部門開設について

小樽協会病院 呼吸器病センター

気胸部門(気胸センター)開設について

【はじめに】

 呼吸器病センターは、2014(平成26)年12月15日に開設しております。

この度、2017(平成29)年9月に呼吸器病センター内にて気胸疾患を中心に診療する気胸部門(気胸センター)を設立いたしました。

気胸は若年男性に多い疾患ではありますが、近年、喫煙の影響で肺気腫を基礎疾患とした高齢者の気胸も増加しております。肺気腫に続発した気胸は繰り返し易いことで難治性のことも多く、治療として保存的治療(胸腔ドレナージ)を第一に、手術、気管支塞栓術、ゆ着治療などを組み合わせて治療を行っています。

気胸は男性の患者さんのみではなく、最近では女性の患者さんも増加傾向です。女性の場合は生理に関係して起こる月経随伴性気胸(異所性子宮内膜症)などのまれな病気が隠れている場合があり、注意が必要です。

 気胸に関し何かありましたら当部門(気胸センター)にお気軽にご相談ください。

【気胸の症状について】

 気胸の代表的な症状は「突然の胸の痛み」や「呼吸苦」です。安静時や運動後、睡眠中など日常生活を送っているどんな場面においても突然発症します。肺に穴があいて、空気もれが続くと肺がしぼんできて(これを肺の虚脱:きょだつといいます)、これに伴い軽度の息切れを自覚します。その後肺のしぼんだ時間が経過すると症状は一旦治まる場合が多いですが、このときには体動時の息切れを自覚する場合があります。

気胸は一度発症すると繰り返し易いことがあるのが特徴となる疾患です。

【気胸の胸部レントゲン所見】

レントゲン写真で肺のしぼんだ状態を反映している状態を示します(図1)

レントゲン写真の程度で①軽度、②中等度、③高度 に分類されます。


 

【発症原因・好発年齢・特徴】

気胸の発症原因は、肺表面にできる「肺のう胞(ブラ、ブレブといった肺の表面が弱くなった風船状の構造物)」に穴があいて起こる「肺からの空気もれ」が最も多いとされています。(図2)

 気胸の好発年齢は大きく二つのピークがあり、ひとつは①10代後半から20歳代前半の痩せ型の男性(自然気胸)、もうひとつは②50歳代以降のたばこを吸っている方(続発性気胸)で、肺気腫、間質性肺炎等の基礎肺疾患を有している方に発症し易いとされています。上記年齢以外でも発症する方はいらっしゃいます。

女性気胸は比較的まれではありますが、女性特有の気胸(月経随伴性気胸など)がみられます。

【治療内容】

 気胸はその程度(軽度~中等度~高度)により治療が異なります。

 軽度気胸であれば当院外来にて経過観察、中等度以上の気胸であれば初発気胸でも入院のうえ保存的治療(胸腔ドレナージ)を行っております。しかし、空気もれが止まらない場合、あるいは短期間で繰り返し易い気胸の患者さんには外科的治療(胸腔鏡下手術)を施行しています。

 高齢の患者さんや重症な呼吸器疾患を合併し全身麻酔での手術が困難な患者さんには、胸腔ドレナージが原則ですが、その他の治療法を患者さんの状態に合わせて使い分けています。

【代表的治療】

1)胸腔ドレナージ(胸に管を入れる)

気胸は「肺からの空気もれ」が疾患の本体であり、肺のまわりに存在している

空気が肺を圧迫して胸の痛みや呼吸苦の症状となって現れます。肋骨のすきまから肺の入っているお部屋(胸腔:きょうくう といいます)に管を入れて肺のまわりの空気を逃がしてあげる治療を胸腔ドレナージといい、気胸治療の第一歩であるといいます。多くは気胸治療で入院を要する場合は速やかにこの治療を施される場合が多いです。

2)外科的治療(胸腔鏡下手術) (図3)

 胸腔ドレナージを施行後に空気もれが止まらない場合、あるいは短期間に頻回に気胸を繰り返す状態である場合に施行されることが多いです。全身麻酔下に胸に3ヶ所程度の傷(ポート孔)を置き、肺のう胞を自動縫合器(ステープラー)で切除あるいは結紮縫縮(けっさつほうしゅく)します。さらに補強のため人工のシート(酸化セルロースシート、またはポリグリコール酸シート)を肺に貼付します。術後の痛みの軽減には硬膜外麻酔のほか術中に肋間神経ブロックを使用し、体に優しい手術を心掛けています。

3)気管支塞栓術(気管支鏡下)

気管支鏡で気胸の原因となりうる原因の気管支を気管支鏡にてシリコン塞栓物(EWS)などを用い気胸の原因となっている気管支を内側から栓をしてふさぐ治療です。この治療は主に呼吸器内科医師の主導のもと行われます。

4)胸腔内ゆ着治療

外科的治療等の体力が困難な患者さんに対して考慮されることが比較的多い治療です。注入する材料としては自己血(ご自身の血液)や、ミノマイシン、50%ブドウ糖溶液、等といった胸腔内ゆ着する材料などを胸腔ドレーンから注入してゆ着をおこし、空気漏れを停止させる方法です。

【当院でのとりくみについて】

小樽市内あるいは近隣市町村の自然気胸患者さんの受け入れを行っています。

当部門(気胸センター)は、以下の【受診方法】に従って24時間、365日受け入れ可能です。若年の自然気胸から高齢者の続発性気胸まで、年齢層も幅広く受け入れを行っています。外科手術以外にも上記の様々な方法により気胸の治療を行っています。

【受診方法】

 当部門(気胸センター)初診となる患者さんは平日診療以外の時間帯はまず、診療所・医院・病院・夜間急病センター・休日の当番病院などを受診していただき、気胸の確定診断をつけていただく必要があります。その後、気胸が判明したのち、担当医から当気胸部門(気胸センター)外科・呼吸器外科当番医師に連絡していただければ24時間、365日いつでも対応させていただきます。当部門(気胸センター)受診歴のある患者さんは直接の来院が可能です。平日診療時間内(月~金 AM8:30-17:00)では外科・呼吸器外科外来を窓口としております。

*交通外傷等の高エネルギー外傷を伴う外傷性気胸については恐れ入りますが三次医療機関(手稲渓仁会病院など)へのご相談をお願いします。


文責 石川慶大(呼吸器病センター長:外科・呼吸器外科)


気胸部門(気胸センター)外科・呼吸器外科担当医

・進藤 学  (外科部長)

・横山 和之(外科部長)

・川村 健  (名誉院長)

お問い合わせ先

地域連携室 Tel:0134-21-5717(内線:1261) Fax:0134-21-5718    

本文ここまで

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