小樽協会病院

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先輩臨床研修医の声:齋 圭太郎

氏名 研修期間 先輩臨床研修医の声
齋 圭太郎
齋 圭太郎
【初期】
平成19年4月~
平成21年3月
研修の歩き方(平成19年11月)
2年目研修医による病院紹介(平成20年8月)
都会病院の屋根瓦方式ではできないことがある(平成21年3月)



研修の歩き方(平成19年11月)

小樽協会での研修もはや半年。4分の1が終了しました。

この文章は次期研修医向けということなのでその方面の内容を書きますが、研修施設という面では、指導医の先生方の診療技術のレベルの高さに平伏しつつ、症例数の多彩さ豊富さに興味を持って勉強できて、といった感じです。
特に指導医の先生方の診療は技術も知識も熟練し常に新しく、やはり医療の質というのは、「大都会かどうか」というハード面よりも、「医師の意識がどうか」というソフト面だと思いました。
また、多くの学会の認定施設でもあり、認定内科医ほか各種専門医の資格取得にもキャリアとして全く問題のない研修施設です。
そして、市中病院研修の特徴の「少人数教育である」ことがあり、様々な診療行為を早くから任せられます(指導医のチェック付きなので安全)。
大学病院や、人の多い大きな市中病院では経験できないことができ、医師という仕事の面白さを早くに経験し慣れることができます。

しかし、1番の特徴は、指導医・病院のスタッフ含め、全ての人の優しさでしょう。
皆様がご存じのとおり、現在の制度の臨床研修では、以前のように最初から1つの科で研修するわけでなく、2カ月ないし3カ月ごとに、科を渡り歩きます。
その「職場が変わる」というストレスは大変なものです。やっとこさ2ヶ月で人を覚え、患者さんを覚え、その科での仕事の流れに慣れてきたと思った瞬間に、「カルテ2号紙のある場所がわからない」レベルまで逆戻りです。
また新しい職場では、人の雰囲気も違えば、流儀も違います。2か月で指導医・スタッフの方々にうまく慣れるのは性格やコミュニケーションがとても重要です。

特に私は、元来人見知りで、人に慣れるのに大変時間がかかる人間です。その性格から25年間今まで、様々な活動で全例、初めて半年くらいまではいぶかしげな眼で見られ、それから慣れて付き合えていくというパターンの繰り返しでしたので、この2か月ローテという制度は正直負担です。

しかし小樽という温かい土地柄が関係するのでしょうか、病院のスタッフの方々はとても優しく、様々なこと教えてくださいます。知識なく何もできず、すぐブーたれる私が、指導医・スタッフの方々の言葉に何度励まされたことか。この病院の指導医・スタッフだからこそ、私はこの制度に負けず頑張ってやっていけると、本当に感謝しております。

職場を選ぶ際には次期研修医の方々は、いろいろなことを考えると思うのです。
施設の規模は?教育体制は?知名度は?専門医の人数は?地理条件は?待遇は?当直数は?
どれを中心に選ぶかは人それぞれですし、それが一番いいのだと思います。そしてうちの病院はそれらをバランスよく含んでいると思います。

しかし、小樽協会病院で確実に保証できることは、人の温かさ、それによって生まれる抜群の働きやすさです。
初期研修は高度な知識を学ぶわけでなく、ベースとなる基本技術・精神を学ぶ期間です。
となると、どこの病院の診療内容でも大体は可能なのです。要するに、どれだけ自分でやろうとするか、それで決まってしまうのです。

すべて心次第。優しいスタッフに囲まれながら、小樽の地で研修してみませんか。

現在の一日の流れ(1年目10~11月整形外科)
8時00分  手術カンファ
8時30分  外来or病棟回診
12時30分  外来終了
13時30分~ 手術
17時00分~18時00分 手術終了
19時00分~20時00分 自主学習or帰宅

詳しいことは病院見学にきて、気軽に私を指名して下さい。
どんな質問にもお答えします。札幌から近く、特急もきちんと止まるJR南小樽駅のすぐそばなので来やすいと思います。
 

2年目研修医による病院紹介(平成20年8月)

2008年4月13日ホテルポールスター札幌
臨床研修病院合同プレゼンテーション  アンケート結果
参加者168名 回収63名

<特に良かったブースはどこですか?>
1位 苫小牧市立病院(8票)
2位 手稲渓仁会病院・小樽協会病院・砂川市立病院(5票)
3位 帯広厚生病院・旭川厚生病院・市立函館病院(4票)

これは主催側が、全参加病院に渡したアンケート結果です。
札幌医大を出た私の実感として道内で小樽協会病院は、医学生の間では、そこまで名前はありません。
なぜなら小規模だからです。
私はこの合同プレゼンテーションに参加しましたが、上記の理由のため、他の大病院には大量の学生が集まるものの、わが小樽協会病院に来る学生は比較的少ないものでした。

しかし、この2位という結果が示したものは何なのか?
それは、話を聞いた学生はその多くが評価し、わざわざ投票してくれている、
「きちんと内容を聞いてみれば、けっこういいなあ、ここ」
ということです。
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・手技~どのくらいできるようになるの?
基本的に、手技といっても医者1~2年目など、上級医の先生から見れば、赤ちゃんが初めて歩けたね~という段階のレベルではあります。ただ、研修医自身が自己の成長を実感し、それをモチベーションにつなげるという意味で、手技は大切と思います。
特色としては、少人数教育なので、指導医へ自分から「コレがやりたい」という話が通じやすい、ということがあります。
各科でその意思を支えてくれる雰囲気がありますので、例えば私は内科系志望なのですが、内科以外の科でも「内科志望なら~穿刺するからやってみなよ」とお誘いがあったり、内科では「さて、今日もVポート(埋め込み式のCV)作ってみようか。」と、診療の前線で役立つ手技を身につけることができました。

そのおかげで2年目の今頃には、CV・腹腔穿刺・胸腔穿刺・ルンバールなどは鼻歌混じりですることができます。(ふざけてるわけでなくとても真剣ですが、余裕があるという意味です)
外科系についても、私は内科的手技・知識の獲得にウエイトを傾けていたため、手術については一歩引いていましたが、「何か執刀したいものある?てか執刀しようよ」とどの科でも訪ねて下さるので、外科系志望者であり、普通でまじめな態度で準備にあたれば、結構な経験を積めるのではないかと思っています。
とくに整形外科研修が1年目に組み込まれているので、外科系医師として、創傷の処置、骨折の診断、関節穿刺などの現在の制度では片手落ちのprimaryな手技・知識について、他病院の外科系志望研修医に差をつけることができるでしょう。

・知識~勉強時間の確保
実は1~2年目は「本の自主学習」が本当に大切です。症例は多いけど、耳学問だけで、全体としての病態や鑑別はよくわかっていない。これはいかがなものでしょうか。
それに研修終了し、3年目医師は科によってはいきなり「外来」、という役割を担うこともあるのです。系統的なその科の詳しい知識がなくて、できるものではないと思います。「診断基準」がわからなければ診断できないのです。 SARSを初めて診断した医師も、「診たことはない」けれど、学問的な知識をベースに除外診断をして、この新興感染症の診断に至ったのです(ちょっと我々とレベルの違う話でしたw)。

私は後輩に、雑用に忙殺される病院をすすめませんが、なぜか?
大病院では、せっかく症例数が多くても、雑用が研修医の役と決まっている所があり、そのおかげで夜中までこき使われ、(毎朝採血に来い、レントゲン現像しとけ、検体を検査まで持ってけとかのレベル)勉強時間がとれない事があるためです。

うちの病院はコメディカルがとても働く病院なので、研修医のそういった点では恵まれています。夜中へとへとになってから勉強、ということはありません。
標準的な時間に業務を終了し、症例についての勉強ということが可能でもあります。
しっかり成書を読み知識をつけることで、指導医とのディスカッションも内容が深まり、得られるものも多くなります。

・マイナー研修バックアップ
マイナー科:米国の国試での各科の呼び分けの風習。内科・外科・小児・産婦以外の科
2年目の自由研修の期間はだれでも気になるものです。
うちの病院では、内科・外科以外でも小児・産婦はそれはもう良い研修を受けられます。他の市中でも舐められないほどの技量はつくでしょう。そして整形も同様です。

しかし、耳鼻科・泌尿器など他のマイナー科はわが病院にはありませんが、他の市中と提携するよう、院長・研修部長が全力でバックアップします。提携先は眼科を含めほとんどは確保できています。
小樽市全体で、各科希望の研修医を育てようという心意気のある研修なのです。

・待遇・福利厚生
これからの医学生に忘れてほしくないのは、研修医の待遇等、社会的な面です。
社会人なら、給料をもらって、生活費も税金も保険料も、親に頼らず独立して生活することが常識です。
研修医も勉強の1面はありますが、基本は生活するための仕事です。
そのために、待遇を書こうと思います。普通、こういった研修紹介で待遇を書く病院はありませんが、自分の生活を考えるのは重要です。

1、基本給(1年目)40万(2年目)45万
2、 当直費1回1万 
(1年目)月3回(2年目)自由
当直は1~2年通じて、追加希望する分には可。(月6~8回など)
上記より税金・社会保険料等を徴収
借上げの住宅費(駐車場付)約1.5~2万を徴収。

・当直体制
「副直」として当直医との2人体制。
1年目は月3回。2年目は自由。
日程は自分で調整可能。変更も可。

終りに ~小樽の地に支えられて。

現在2年目研修中の夏、この病院のすべての科を回り終え、これからの3年目の進路を決めるべき時期になりました。
そこで思うことは、ここまで育ててくださった職員の方々、先生方への思いです。
単身、小樽へ乗り込み、不安の中で過ごした1年目の4月。でもすぐにそんなことは心配ではなくなりました。

病院すべての人が優しく、温かい。

素晴らしい人々との出会い。

もちろん時には厳しい事に直面することもありました。
そんな中、性根の悪い私でも、腐らず、小さいながら一歩一歩進めたのは、先生方、職員の方、その中で出会えた患者さんたちのおかげです。

すべて心次第。

うちの病院の研修を、楽しんでくれる後進がいればいいな、と思う気持ちで書いています。
というか、そういった気持ちだけで書いてます。どんなに書いたって私には1銭も出ませんのでw
ぜひ実際に見学や話を聞きに来てください。話せばきっと、良い研修病院とわかりますので。
 

都会病院の屋根瓦方式ではできないことがある(平成21年3月)

屋根瓦方式、と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか。

少し研修病院について見聞きすると聞くこの言葉。要するに、わが研修病院ではたくさんの研修医がいて、1年目を2年目が、2年目を3年目が、身近なわかりやすい言葉で教えていますよ、年次で経験できるカリキュラムのレールに乗って落ちこぼれないですよ、という教育体制のことです。
東京・沖縄など大体の有名研修病院では、当然のようにこの「屋根瓦方式」という謳い文句を掲げています。

なるほど確かに、魅力的な教育体制です。1年目の4月など、まず医療の共通言語が分からない段階では確かにありがたい。他にも利点はいろいろあるのだろうと思います。
しかし、問題なのは、声の大きい有名研修病院のこの制度がすべてと思い込む学生、小~中規模病院の地域の教育体制を「なっていない」と勘違いする学生がいることです。

曰く、人が少ないのはだめだ、研修医を受け入れ慣れていないから役割が不明確、地域は老人だらけで合併症ばかりだ、規模が小さいなら診療のレベルも低いはずである、等です。
とんでもない勘違いです。以降で説明をさせていただきたい。

《研修医の数が少数?》

まず、人が少ないからこそ、いい研修ができると言うことです。大病院の研修医は、CVや内視鏡など、それこそ取り合いです。しかも大体は年次が上の若手が取っていくので、1、2年目に回ってくる手技など、どれほどのものがあるのでしょうか。私の知る有名大病院の研修医1年目の一人はCV挿入の際、2~3年目に「君にやらせたいけど、俺も去年やってないんだよね」と言い、ほとんどCV挿入を経験できないでいます。屋根瓦方式だからこそ「下の瓦は決して上の瓦になることはできない」のだと言えます。

しかし、当院の様な病院では違います。研修医が少数だからこそ、最初から、多くを経験できるのです。すなわち、研修の「独り占め」です。2年目の自由研修など、ほとんど戦力として扱われるため、めきめき力が付いていきます。例えばCVを数10例とは言わず(日常なので、もはや数など覚えていません)、~穿刺、~鏡を数10例等の経験を積むことが可能です。もちろん指導医のしっかりとした監督付なので安全ですし、無理もありません。

研修医同士で仲良く教えあい、お互いの知識を持ちよせディスカッションする。これもいいですが、上の指導医に集中して技を教えていただき、指導医クラスのディスカッションになんとか喰らいついていこうと勉強する。スポーツにたとえるなら、前者を学生の部活とすると、後者は社会人クラブで練習することに似ているのではないかと思います。(好みによってどちらがいいとも言えないですし、部活とて「顧問」の代わりに多くの指導医がいるので、極端な例えですが)しかも、社会人クラブだからと言っても、若手が全くいないわけでもないですし、指導医一同みな優しい方ばかりです。
「屋根瓦」に注目するのも良いですが、当院の研修も負けない十分な魅力を持った研修体制なのです。

《研修医を受け入れ慣れていない?》

確かに、研修医が毎年何10人も来るわけでないので、コメディカル含めたスタッフ全体としては、それ程受け入れ慣れてはいません。「何も分からない研修医」でなく「若い医者」扱いなので、お互いの実力を理解できるまで、いつも通り専門用語で話してくるコメディカルに焦ってしまうかもしれません。まあ、すぐ慣れますし、素直に質問すればいいだけの事ですが。

しかし、受け入れ慣れているということはどういう事なのでしょうか?私はこの2年間いろいろな大病院の研修医と話しましたが、大病院では研修医が毎年コンスタントに来るからこそ・・・「大病院の膨大な雑用を任せられる」「どう接していいのか分かるので、いびりやすい(笑)」
1年目の4月なら、医療自体に慣れていないので、研修医をどう教えればわかるスタッフがいれば助かるでしょうが、1年目の夏以降、慣れた頃として考えると、どうしても利点が見つかりません。夜中に帰るという大病院の研修医も、ほとんど雑用で遅くまで残っている先生が多いようです。
こちらでは「研修医」でなく「若い医師」として優しく、敬意を持って扱われますので、少々のプレッシャーはありますが、それが勉強する気にもつながります。

《高齢者が多い?》

小樽市は札幌中心部に電車で2~30分と札幌の外れよりも近い街ですが、確かに高齢者は多い街です。
そして確かに高齢者の患者さんは合併症が多いです。ある病気を診ようとしたら、糖尿病・陳旧性脳梗塞・認知症そしてそれにまつわる誤嚥・易感染・多剤耐性菌・・・・「合併症多くて疾患の勉強にならない」という台詞を言う研修医がいると聞きます。

しかし、そういう研修医は、じゃあ君は糖尿病や認知症をきちんと見れるの?と言う質問には答えられないはずです。合併症のどれをとっても奥の深いものです。疾患を同時に多く持つ患者・教科書通りにはいかない患者を診るからこそ、色々な勉強が同時にできるのです。しかも、「いわゆる」勉強になる疾患についても、当院は広い小樽後志地域で数少ない基幹病院の一つですから、次々と診療することになります。札幌で基幹病院同士が群雄割拠する中よりも、貴重な症例に出会えることもあるかもしれません。
誤嚥性肺炎を繰り返して、もう何の抗生剤も効かない・・・・・しかし、ここからが勝負だ、と。この研修で、そういう実感が得られたことはとても価値あることと思っています。

《診療のレベル?》

言わずもがなです。
超高額機器がないだけで(PETなど)、知識・技術なにを取っても1流の指導医が揃っていますし、各科で大学と綿密な連携が取れています。指導を受けるならマスコミに出てるスーパードクター(笑)しかいない!という学生はまだ聞きませんが、そんな心配をしなくても十分に良い指導が受けられます。

《2年間を終えて》

この病院の研修を終えて思うのは、2年間の内で他の科が他の科を補完するような研修になっていることです。ある科では、あまり学べなかったこと(例えば外来や入院についての踏み込んだところ)が他の科でしっかり学べるようになっています。結果2年間で、とてもバランスのよく、実践的な知識が身に付きます。もちろんローテで1年間だけでも良いものは身に付きますが、2年間の研修は特にお勧めです。

《次期研修医の先生へ》

古都小樽。
病室の窓からは紺碧の小樽港・海岸を望む港町。
優しいスタッフとともに医師としての一歩を踏み出してみませんか?